軽貨物車の選び方|新車・中古車・リース、開業するならどれがベスト?

2024.10.08

軽貨物配送に使う車両とその用途

軽貨物配送には、用途や運ぶ荷物に応じてさまざまな車両が使用されます。ここでは、代表的な車両とその用途について説明します。

1. 幌車(ほろぐるま)

幌車は、荷台の上に幌(ほろ)という布製の屋根を取り付けた車両です。幌によって荷物を雨や風からしっかりと守ることができるため、天候に左右されることなく安定した配送が可能です。幌は、荷物の積み下ろしがしやすいように取り外しや調整が可能な設計になっているため、大型の荷物やかさばる物を効率的に扱うことができます。特に、建築資材や家具などの軽量で大きな荷物の運搬に適しており、業界内で広く活用されています。

幌車は通常、最大積載量350kgまでの荷物を運ぶことができ、積載効率が高いことから、建設業やインテリア業界などで頻繁に使用されます。幌が付いていることで荷物が直接雨や雪にさらされないため、外的環境から保護が必要な物品の運搬にも向いています。また、幌を開ければ簡単に荷物の積み降ろしが可能なため、フォークリフトやクレーンを使用した作業も円滑に進められます。

  • 用途: 建築資材、家具、軽量で大型の荷物の運搬
  • 特徴: 幌車は大きな荷台スペースを持つため、大型の荷物を積載しやすく、効率的に運搬できます。しかし、防犯対策が幌のみであるため、貴重品や高価な荷物の運搬には適していません。また、幌部分が強風に煽られやすいため、風の強い地域や条件下では注意が必要です。

2. 軽バン

軽バンは、軽自動車の中でも特に荷室の広さが際立っている車両で、物流や配送業において非常に重要な役割を担っています。特に、個人事業主やフリーランスのドライバーにとって、コンパクトかつ多機能な軽バンは、日々の業務に欠かせない存在です。軽バンの荷台スペースは、ドライバーと助手席の背後に設けられており、大容量の荷物を収納できる点が大きな特徴です。これにより、宅配便、日用品、書類、雑貨など、多岐にわたる荷物の運搬に対応できます。

軽バンは、そのコンパクトなボディに対して驚くべき積載能力を誇ります。軽自動車の規格に準じているため、車両の全長や幅がコンパクトで、日本の狭い道路や駐車場でも扱いやすいのが特長です。都市部の細い路地や住宅街でも軽快に走行できるため、宅配業者や小規模事業者に特に人気があります。また、荷室は低い床面に設計されていることが多く、荷物の積み下ろしがしやすい点も魅力の一つです。重量物を運搬する際にも、腰に負担をかけにくい構造となっています。

さらに、防犯面でも優れており、荷台スペースがしっかりと密閉されているため、荷物が外から見えにくい設計です。特に、盗難や雨風から荷物を守るため、貴重品や重要な書類の運搬にも適しています。これにより、商業用配送業務だけでなく、ビジネス書類や機密情報を含む配送業務にも安心して使用することができます。

燃費性能においても、軽バンは優れた効率を発揮します。近年のモデルでは、エコカー技術が導入されており、ガソリン消費量を大幅に抑えつつ、長時間の運転や長距離配送にも対応できるようになっています。これは、コスト削減を重視するドライバーや事業主にとって、非常に重要なポイントです。また、軽バンはメンテナンスのコストも比較的低く、長期的に運用しても経済的な負担が少ないことから、運送業界での評価が高まっています。

軽バンはその多機能性から、多くの業種で使用されています。宅配便業務や商店の仕入れ、卸売り配送、さらには個人向けのフリーランス配送まで、さまざまなニーズに対応可能です。特に、宅配業務では、荷物の種類や大きさに応じた柔軟な対応が求められるため、軽バンの広い荷台スペースと運搬能力が大いに役立ちます。さらに、電動スライドドアや後部ハッチの開閉機能を搭載したモデルもあり、荷物の出し入れがよりスムーズに行えるため、業務の効率化にも貢献します。

どのような仕事ができるか

軽バンは、その多様な特性から、さまざまな業種やシチュエーションで活躍することができます。特に、以下のような仕事に適しています:

  • 宅配業務: 最も一般的な軽バンの用途は、宅配業務です。Amazonや楽天、ヤマト運輸などの大手宅配サービスで、軽バンが使われています。軽バンは、その大きな荷室を活かして、日用品や書籍、衣類など、さまざまな荷物を一度に運搬できるため、効率的な配送が可能です。また、住宅街や商業エリアを回りながら、複数の配送をこなすことが求められるため、軽バンの機動力が活かされます。
  • 企業間の配送(B2B): 軽バンは、小規模な製品や部品、消耗品の配送に最適です。例えば、企業間での部品のやり取りや、オフィスの備品や消耗品の配送、店舗向けの商品配送など、ビジネス間の小規模物流にも幅広く使用されています。定期便として契約することで、安定した収入源を確保することができるでしょう。
  • フリーランス配送: 軽バンを使って、フリーランスとして配送業を行うことも可能です。特に、個人事業主が増加する中で、特定の会社に縛られず、自由にスケジュールを組みながら稼ぐことができます。軽バンの維持費が低いため、リスクも少なく始めやすいのがメリットです。Amazon FlexやUber Eats、出前館のような個人向け配送プラットフォームを利用することで、簡単に仕事を始めることができます。
  • 引越し業務: 軽バンは小規模な引越しにも適しています。特に、一人暮らしの引越しや少量の家具の運搬に向いています。大手引越し業者がカバーしないニッチな市場を狙い、小回りの効く引越し業者としての活用も可能です。特に、都市部では小さな住居へのアクセスが容易なため、軽バンの利用が推奨されるケースも増えています。
  • クリーニング業務: 軽バンを使用して、クリーニング店とお客様の間で衣類やカーテン、寝具の回収・配達を行う業務も人気があります。特に、時間の制約が少ない業務では、個人事業主や小規模の会社でも手軽に始められます。配達頻度に応じてスケジュールを調整できるため、フレキシブルに働けるのが魅力です。

このように、軽バンは多くの業種で使える汎用性の高い車両です。軽貨物配送の初心者や、業務の幅を広げたい人にとっても、非常に頼りになる存在です。

  • 用途: 宅配便、日用品、雑貨、書類、ビジネス書類の運搬、卸売り配送、個人向け配送など
  • 特徴: 軽バンは、広い荷台スペースを持ち、コンパクトで取り回しが良い点が魅力です。また、防犯面や燃費性能にも優れており、コストパフォーマンスの高い車両として、特に宅配業務に適しています。密閉構造によるセキュリティの強化や、長時間運転でも快適な乗り心地、荷物の積み下ろしのしやすさが評価されています。

3. 冷蔵車・冷凍車

冷蔵車や冷凍車は、温度管理が必要な荷物を運搬するために特化した車両です。これらの車両は、荷台内部に冷却装置を搭載しており、指定された温度を一定に保ちながら配送を行います。食品業界や医薬品業界において欠かせない存在であり、特に鮮度や品質が重要視される荷物を運ぶ際に広く使用されています。

冷蔵車は、荷台内部を冷蔵温度(通常は0〜10℃)に保ちながら、冷蔵が必要な商品を配送します。一方、冷凍車は、荷台を冷凍温度(-18℃以下)に設定し、冷凍食品や凍結が必要な商品を配送します。これにより、配送中に荷物の鮮度や品質を維持し、顧客に商品を最適な状態で届けることが可能です。

冷蔵車・冷凍車は、特に温度に敏感な生鮮食品や冷凍食品の配送において、その性能が重要となります。例えば、鮮魚や肉類、乳製品、野菜など、温度管理が不十分だと品質が劣化しやすい商品は、冷蔵車での運搬が必要です。さらに、冷凍食品やアイスクリームなどは、温度を一定に保たないと解凍・再凍結によって品質が損なわれるため、冷凍車での運搬が必須となります。

また、医薬品の輸送においても、冷蔵・冷凍車の利用が拡大しています。ワクチンや特定の薬品は、指定された低温環境でのみ効果を保持できるため、温度管理が欠かせません。医療業界においても、温度管理の徹底が求められ、信頼性の高い冷蔵車・冷凍車が不可欠となっています。

冷蔵車・冷凍車の主な用途

  • 生鮮食品の配送: 鮮魚、肉、野菜、乳製品など、すぐに品質が劣化する生鮮食品は、冷蔵車での配送が必須です。これにより、鮮度を保ちながら市場や店舗に届けることができます。
  • 冷凍食品の配送: アイスクリームや冷凍食品は、解凍されると品質が著しく低下します。冷凍車は、これらの食品を常に低温に保ちながら安全に配送することが可能です。
  • 医薬品の輸送: 温度管理が必要なワクチンや医薬品は、冷蔵・冷凍車を使用して配送されます。特に、医療機関や薬局に薬品を届ける際には、温度変化による劣化を防ぐための厳格な管理が求められます。
  • 温度管理が必要な特定商品: 生花や特殊な化学製品など、温度変化に敏感な商品は、冷蔵車や冷凍車での配送が推奨されます。これにより、品質を維持しながら長距離の配送も可能となります。

冷蔵車・冷凍車の特徴

冷蔵車・冷凍車の最大の特徴は、荷台内の温度を一定に保つ機能です。この機能により、運搬中に温度変動が生じたとしても、車両内部では常に指定された温度を保つことが可能です。特に、急激な温度変化が商品の品質に直接影響を与えるような荷物を運ぶ際には、この温度管理機能が大きな役割を果たします。

また、冷蔵車・冷凍車は、配送する商品に合わせて温度を細かく調整できるモデルもあり、配送する荷物に応じて最適な環境を提供できる点も大きな特徴です。例えば、異なる温度帯の食品や商品を同時に配送する場合でも、車両内の温度を調整することで対応可能です。

さらに、最新の冷蔵・冷凍車では、リアルタイムで温度をモニタリングし、ドライバーや物流業者が適切に管理できるシステムが導入されています。これにより、配送中に温度が逸脱した場合でも、迅速に対応し、商品を守ることができます。

どのような仕事ができるか

冷蔵車・冷凍車を使用することで、以下のような仕事に従事することが可能です:

  • 食品配送業務: 特に食品業界において、冷蔵・冷凍車の需要は非常に高いです。スーパーマーケットやコンビニ、飲食店への配送業務はもちろん、農家や漁業者から市場や加工施設への輸送も重要な役割を担います。鮮度が求められる生鮮食品の配送において、冷蔵車は欠かせません。
  • 医薬品配送: 医薬品業界でも、冷蔵・冷凍車の使用は一般的です。ワクチンや温度管理が必要な薬品、研究用試薬の輸送など、温度変動に敏感な商品を運ぶ仕事に従事できます。特に医療機関や薬局への定期配送契約を結ぶことで、安定した仕事量を確保することが可能です。
  • デリバリー業務: 生鮮食品や冷凍食品を自宅に届けるデリバリーサービスにも、冷蔵・冷凍車が活躍します。食材キットや高級食材の配送では、品質を維持しながら顧客のもとに届けるための重要なツールとなります。食品配送業界が拡大する中で、冷蔵・冷凍車を使ったサービスはますます需要が高まっています。
  • イベントやケータリング業務: イベント会場やケータリングサービスで使用する食材を、冷蔵・冷凍車で配送する仕事もあります。特に、大規模なイベントやパーティーで使用する食品は大量かつ厳密な温度管理が必要です。これにより、イベント業界でも冷蔵・冷凍車の活躍の場が広がっています。
  • フリーランス配送業務: フリーランスとして食品や薬品配送に従事するドライバーも増加しています。冷蔵・冷凍車を所有していれば、温度管理が必要な案件に対応できるため、フリーランス配送業としての収入の幅を広げることができます。特に、需要が高まる医療関連の配送案件は安定した仕事量が見込めるため、フリーランスにも人気の分野です。

冷蔵車・冷凍車は、温度管理が必要な荷物を安全に運搬するための車両であり、食品配送業、医薬品配送業、デリバリー業務など、幅広い業務に対応できる点が大きな強みです。これらの業務に従事することで、温度管理が重要な商品を常に高品質で届けることが可能です。

  • 用途: 生鮮食品、冷凍食品、医薬品、温度管理が必要な商品
  • 特徴: 車両内の温度を一定に保つことで、配送中に商品の品質を維持できるため、特に食品配送業者や薬品業界において不可欠な車両です。冷蔵車は食品業界、冷凍車は医薬品や特殊製品など、異なる業界においても幅広く活躍しています。

4. バイク

バイクは都市部や狭い路地での配送に適した車両で、軽貨物配送の中でも機動力が高く、すばやく荷物を届けることが可能です。特に都市部の交通渋滞や駐車スペースの確保が難しいエリアにおいて、その機動性が最大の強みとなります。バイクは、大きな荷物を運ぶことはできませんが、書類や小型の荷物、軽い食品などを短時間で配達する際に重宝されています。

バイクによる配送は、配達員が狭い路地や交通渋滞が多いエリアでもスムーズに移動できる点が特徴です。さらに、宅配便やフードデリバリーなどで頻繁に利用されており、特に時間指定のある荷物や即日配送が求められる場合に最適です。

バイクの用途

  • 書類や契約書の配送: 急ぎで契約書や重要な書類を届ける際、バイクの機動力を活かして迅速に届けることが可能です。特に、ビジネス街での急な書類の受け渡しや、法律事務所などの書類配達でよく利用されています。
  • 小型商品の配送: フードデリバリーや薬品、雑貨など、小型で軽量の荷物を短時間で届けるのに適しています。特に、バイクの小回りが利くため、狭い路地や都心部のマンションなどにも迅速にアクセス可能です。
  • クイックデリバリー: バイクの利点を活かした即日配送やクイックデリバリーにも対応可能です。急なオーダーや緊急の配達依頼に応えるため、即座に現地に向かい、荷物を短時間で届けることができます。
  • 少量の食品やデリバリー: フードデリバリー業務では、バイクが最も一般的な配送手段です。特に、都市部のレストランから顧客の自宅やオフィスまで、短時間での配送が可能なため、ピザや弁当、ドリンクなどのデリバリーで活躍しています。

バイクの特徴

バイクの最大の特徴は、その機動性と小回りの良さです。狭い路地や交通量の多いエリアでも、バイクならではの機動力を活かしてスムーズに移動することができ、配送時間を短縮できます。また、駐車スペースが限られている場所や、駐車禁止エリアが多い都市部でも、バイクなら簡単に配送をこなせるため、効率的です。

もう一つの特徴は、コスト面のメリットです。バイクは燃費が良く、ガソリン代やメンテナンスコストも低いのが魅力です。軽貨物車両に比べて維持費が安いため、フリーランスの配達員にとっても初期投資が少なくて済む点が大きな利点です。また、バイクはコンパクトなため、保管スペースを取りません。これにより、配送業務のコストパフォーマンスが向上します。

どのような仕事ができるか

バイクを使用することで、以下のような仕事に従事することが可能です:

  • フードデリバリー業務: フードデリバリー業界では、バイクが主力車両として活躍しています。特に都市部での食事の配達では、バイクの機動力を活かし、レストランから顧客の自宅やオフィスまで、素早く料理を届けることができます。配達アプリの普及により、バイク配達の需要は今後も高まると考えられています。
  • 書類や軽い荷物のクイックデリバリー: 企業間での書類の緊急配送や、薬局からの薬品配送など、軽くて小さい荷物の配送では、バイクが大いに役立ちます。特にビジネス街やオフィス街で、重要な書類を迅速に届ける必要がある場合、バイクのスピードと機動性が重宝されます。
  • フリーランスのデリバリー業務: バイクを所有していれば、フリーランスでのデリバリー業務にも対応できます。配達アプリに登録して、個人事業主として活動することで、スケジュールの自由度が高く、都市部での高収入も期待できます。バイクならば、ランニングコストが低いため、フリーランスにとって理想的な選択肢です。
  • バイク便: バイク便業務は、特にビジネス街での即日配送が求められる仕事です。急な荷物の輸送や、短時間での納品が必要な場合、バイク便はその機動力で迅速に対応します。オフィスからオフィスへ、契約書や図面などの重要な書類を素早く届けることが求められる場面で、バイク便が活躍します。

バイクを使用した配送業務は、特に都市部や狭い路地での迅速な対応が必要な仕事に最適です。コスト面でも優れており、フリーランスや個人事業主として働く場合にも、低コストで始められるため、非常に魅力的な選択肢です。

  • 用途: 書類、少量の食品、軽い荷物、契約書の緊急配送、フードデリバリー
  • 特徴: 渋滞時や狭い道路でもスムーズに移動でき、迅速な配送が可能です。特に都心部でのクイックデリバリーや急ぎの荷物に最適で、燃費が良く維持コストも低い点がメリットです。

まとめ

軽貨物配送に使われる車両は、その特性に応じて異なる用途に使われます。幌車は大型の荷物、軽バンは汎用性の高い配送、冷蔵車・冷凍車は温度管理が必要な商品、バイクはスピーディーな配送に向いています。配送する荷物や地域の特性に応じて、最適な車両を選び、効率的に業務を行いましょう。